「こんなはずじゃ…」を防ぐ!医療内装でよくあるトラブル事例と対策とは?

内装

クリニックの開業時、理想の内装イメージを描いていたはずが、
「患者動様線が悪い」「工期が間に合わなかった」など、想定外のトラブルに直面するケースは少なくありません。

本記事では、実際に見られた医療内装のトラブル事例と、その具体的な回避策をご紹介します。

よくあるトラブル①:患者様動線が悪く“混雑”する待合室

<事例>
耳鼻科を開業。
キッズスペースを広く確保した結果、受付〜診察室の通路が狭くなり、混雑時に患者同士がすれ違えない状態に。
スタッフも患者様対応のたびに移動がしづらく、業務効率にも影響が。

<原因>

  • 来院のピーク時間を考慮した設計がされていなかった
  • 医療動線に不慣れな建築士が設計を担当

<対策>

  • 診療科ごとの回転率や滞在時間を踏まえたゾーニング設計が必要
  • 医療施設に特化した設計会社に依頼し、動線シミュレーションを事前に行うことが重要

よくあるトラブル②:オープン直前に“工事遅延”が発覚

<事例>
内科クリニックで、医療機器の設置寸法に誤差があり、壁の開口が合わず納入ができない事態に。
結果として、内覧会や開業日程の調整に大きな混乱が生じた。

<原因>

  • 内装業者と医療機器業者の情報共有が不十分
  • 図面が古いまま進行し、現場判断に誤差が出た

<対策>

  • 医療機器メーカーとの直接打ち合わせを行う
  • 工程表を使って段取りを明文化し、週次で進捗をチェック

よくあるトラブル③:施工後に“追加工事費”が発生

<事例>
皮膚科で、美容施術室に排気設備が必要と判明。
見積には「換気設計一式」とだけ記載されており、結果として10万円以上の追加工事が発生。

<原因>

  • 初期の見積が曖昧で、詳細仕様が反映されていなかった
  • 打ち合わせ後の内容変更が都度記録・反映されていなかった

<対策>

  • 見積は内訳明細(ダクト工事、照明、ガスなど)まで確認
  • 「やりたいことリスト」を初期段階で共有し、変更があれば書面で承認を残す

クリニック内装は“事前の見通し”が成功のカギ

内装工事におけるトラブルの多くは、事前の準備不足や情報共有の欠如に起因します。
「こんなはずじゃなかった…」を防ぐためには、医療に特化したプロとの連携と、細部まで詰めた設計・工程管理が欠かせません。

クリニック内装におけるトラブルは、設計や施工の技術的な問題だけでなく、医療特有の運用や導線への理解不足によっても生じます。
開業後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためには、早い段階で課題を洗い出し、関係者と丁寧にすり合わせを行うことが大切です。

特に都内のように競合が多いエリアでは、安心して通える空間づくりが患者様満足にもつながります。
内装設計を単なる“デザイン”ではなく、“運営の一部”として捉えることが、クリニック成功の第一歩です。